安藤鰹節店・合資会社 安藤商店

街のひと

代表社員 安藤元二さん

―まずは自己紹介をお願いします。

合資会社安藤商店の代表社員、安藤元二(あんどう もとじ)です。真清田神社様のご加護のもと、この場所で商いを続けております。

一宮市で生まれ育ちもう70歳ですが、この乾物屋という家業を、今更になって後世に伝えていかなければならない業種だと気づきました。伝えていかないと、日本の食文化そのものがなくなってしまうのでは…?と危機感を持っています。

―お店の成り立ちや想いを教えてください。

安藤鰹節店は私で6代目。合資会社の設立は昭和28年ですが、創業自体は江戸時代末期までさかのぼります。

その頃は乾物屋でなく、大八車で名古屋まで魚を仕入れに行き、その日のうちに一宮で売る、という様子だったようです。

江戸時代末期からの歴史がありますが、蔵は立ちませんでした。理由を考えましたが、結局は利益よりもお客様を喜ばせることが第一だったのではないでしょうか。

―お店で安藤さんが愛しているポイントはありますか?

先代が亡くなるまでは、食品全般を取り扱うお店でした。先代は病床で「昔の乾物屋に戻りな」と言い残したものの、その当時は理由がよくわからず…

その後、食品の添加物や化学調味料について見直す時代がきました。そんな中、先代の言い残したとおり乾物単体を後世へ伝えていかないと、と気づいたんです。

先代の一言や気づきを経て、20年ほど前からは鰹・しいたけ・のり・こんぶを中心に乾物屋を展開しています。それから、日本の食文化の底辺を担ったと自負できるようになりました。日本の食文化の底辺はだし、ですから。そこが、私がこの店を愛しているポイントです。7代目の息子にも、後世へ伝えてほしいですね。

―安藤さんがお店でがんばっていることは何ですか?

キャッシュレス・クレジットカードなど先進的なものは取り入れています。息子の力も借りつつ、自分自身がITを使いこなせるようがんばっています。
SNSやホームページも、商いに直結することなのでがんばっています。息子が仕入れたよい商品を売れるようにするためにも、大事です。

―コロナ禍において、お店で新しく始めたことはありますか?

このコロナ禍で、免疫力を高めるには食事も大切なのではと思っています。自分の健康は、自分で守らないと。

例えば、ミネラルは体にとって大事な栄養素です。食品からとるのは難しいですが、鰹節などの乾物にはミネラルが含まれています。なので、乾物の素材単体からミネラルをとって、免疫力アップにつなげませんか?

―話は変わりますが、中心市街地でご自身が好きなお店やスポットなどはありますか?

ぎんざ通りにある「清香」さんです。実はオープン前に店主から「この街で饅頭屋をしたい」と相談を受けたことがありました。あの大福のもちもち感がたまりません。あんこもおいしいですが、皮のもちもち感に惚れました。新しいお店ですが、この一宮で商いをしたいという思いを大切にしてあげたいですね。

ほかにも、一宮にはよいお店がたくさんあります。本当に、紹介しきれないくらい!

―最後に、お店又は安藤さんの夢や未来像があれば教えてください。

乾物屋ですが、実は鰹節の粉を入れた豆菓子を開発しています。7代目の発案ですが、最初はお菓子を作ってどうする、と思っていて。いざ、作ってみると年間5000袋ほど売れました。理由を考えると、化学調味料とは違う素材のおいしさがあるからでは、と。鰹節店でもこういう商品が開発できるんだ、と自信になりました。いずれはせんべいバージョンも販売したいです!試作がうまくいっていませんが、発想自体は悪くないので実現したい。

編集後記

カジヤマシオリ/2021.2.5

安藤さんは、江戸時代末期からの歴史を持つ、安藤鰹節店の6代目。
先代の言い残したことや、ご自身の経験が、今の安藤鰹節店につながっていることがよくわかりました。
お店に入ると、鰹節やこんぶのいい香りにほっとしますよ。

店舗情報

販売/乾物の販売

9:30~19:00
※月曜日のみ短縮営業(9:30~16:00)

定休日:無休

一宮市本町3-2-12

Tel:0586-72-2947

https://andokatsuobushi.hp.gogo.jp/

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