専務 猪子実加さん
―まずは自己紹介をお願いします。
「エンジェリーいのこ」専務の猪子実加(いのこ みか)です。私がお店に携わり始めたのは8年ほど前。それまでは、名古屋高島屋内のテナントでジュエリーの販売スタッフをしていました。今は店頭での販売だけでなく、専務なので経営部門としての仕事もしています。例えば、いのこ友の会。会員制のサロンで、百貨店にもある「友の会」のようなものです。そこで会員限定のイベントやサービスを考えたり、預り金を管理したりしています。
―お店の成り立ちや想いを教えてください。
「エンジェリーいのこ」の創業は1947年10月。私の祖父による1畳半の時計修理店が始まりです。現在の、三菱UFJ銀行一宮支店あたりの場所だったと聞いています。別の場所に一度移転したあと、この場所で営業をスタートしたのは昭和52年。現在はジュエリー・ブライダルジュエリー・時計を柱に取り扱っています。
私には姉もいますが、昔からこの仕事は私のほうが向いているなと思っていました。姉は一級建築士でどちらかというと職人肌ですが、接客となると私のほうが向いていると。親もそう思っていたようです。
―お店で猪子さんが愛しているポイントはありますか?
お客様の信頼はお金で買えません。そんな中、この一宮で「安心して買えるお店」と思っていただけること。そして商品を好きになっていただけること。そのようなお店であることです。
私も含め、スタッフは商品を「うちの子」と呼んでいます。それは、商品に自信があるから。クリーニングをする際、他店のものと見比べても品質のよさは一目でわかります。だから70年も続けられているんだと思います。
お店の中にある場所では、サロンが好きです。ネットショッピングにはない、お客様にリラックスしていただきながらジュエリーを渡せる場所です。
―猪子さんがお店でがんばっていることは何ですか?
集客とブランディング、です。うちの店は高級ブランドショップではないので、親しみやすさも持っていただけるようがんばっています。
今はものがあふれた時代ですが「ここのお店から買いたい」と思っていただきたい。集客をがんばって、お店のファンになっていただきたいです。
―コロナ禍において、お店で新しく始めたことはありますか?
公式LINEへのお問い合わせが増えています。先日は岩手の方から、ジュエリーのお直しのご相談がありました。LINEなら遠方でも、画像でジュエリーの状態を確認できて便利ですよね。AIではなく1対1でお返事しているので、ネット上でも安心できるのではないでしょうか。催事ができなくなったのは痛いですが…投資目的での金の売買にも力を入れたり、自宅でゆっくりと選べるサンプルリングの貸し出しを始めたりしました。ニーズにあわせ、臨機応変にがんばっています!
―話は変わりますが、中心市街地でご自身が好きなお店やスポットなどはありますか?
本町にあるcom-cafe三八屋です。一宮という街の発信をし、盛り上げているという点では魅力的なお店。私自身も、一宮で生まれ育ったので街づくりには興味があります。家族みんながそういう思いを持っています。もちろん地ビールもおいしいです。
―最後に、お店又は猪子さんの夢や未来像があれば教えてください。
お店の100周年はもちろん目標ですが、家庭もあるので無理なく並走したいですね。
今後のことはわかりませんが、インターネット販売とお店の2本柱でがんばっていきたいです。ネットショップも活用したいですが、信頼のおけるネットショップであるためには実店舗も大切。時代に合わせて臨機応変にしたいですが、お店としてのコンセプトはぶれないようにしたいですね。
編集後記
カジヤマシオリ/2021.2.10
ずっとジュエリー販売の仕事に携わり、ずっと一宮で暮らしてきた実加さん。街づくりの話をしているときの実加さんはとても生き生きとしていて、一宮が大好きなんだなとわかりました。
好きだと話していたお店のサロンは、きらめいて素敵な空間です。壁紙や家具選びにも、実加さんのこだわりが詰まっています。