代表取締役 内藤幹夫さん
―まずは自己紹介をお願いします。
「文光堂」代表取締役の内藤幹夫(ないとう みきお)です。一宮で生まれ育ちましたが、高校・大学と一宮を離れ、東京で5年ほど社会人生活を送ったのち一宮に戻ってきました。この店を継ぐことを見据え、まずは会社の取引先であるメーカーで勉強をしようと東京で就職したんです。一宮に戻ってきて26年ほどでしょうか。私は4代目で、代表取締役は10年ほど前からやっています。
―お店の成り立ちや想いを教えてください。
創業は明治32年です。稲沢市で印刷業をしていた曽祖父が、一宮で独立し印刷屋をはじめたと聞いています。スタートは印刷屋でしたが、戦時中、おもちゃ屋と文具屋どちらかに絞ってやろう、と考えて文房具店になったそうです。
―お店で内藤さんが愛しているポイントはありますか?
お店の2階にあるコミュニティスペースが好きです。ちょうど私の代替わりの前後に作りました。建物自体は築50年ほどですが、その間店内のレイアウトはあまり変えていなかったので…お客様にお越しいただくためにもこのような場所があればいいなと考えました。今ある什器を使い、レイアウトを変更して作りました。1時間500円でお貸しし、書道教室などにご利用いただいています。私自身も、心地よい場所にしたかったんです。
―内藤さんがお店でがんばっていることは何ですか?
会社としては「外商」がメインで、オフィス向けに事務機器や事務用品を販売しています。私はお店に携わるというより、方向性を出し、あとはスタッフにまかせています。会社で取り扱うのはコピー機などの消耗品がほとんど。メンテナンスを続けていくことが、お客様のためになればと思います。
最近は「名古屋まで行かなくても、近場で必要なものそろうのならこのお店でいいわ」という需要もあるのではないかと思います。名古屋まで行くのはちょっと、と思っている方にお店を知っていただくためにがんばりたいです。
―話は変わりますが、中心市街地でご自身が好きなお店やスポットなどはありますか?
中心部から少し離れますが…妙興寺が好きです。まるで岐阜の山奥のような森に囲まれ、近くで非日常が感じられてよいのではないでしょうか。
―最後に、お店又は内藤さんの夢や未来像があれば教えてください。
この街にもっと活気がほしいです。お店側がそれぞれ努力できれば、自然に人は集まってくるのではないでしょうか。それが街の活気につながればいいですよね。人が集まるよう、時代にあわせてお店もやっていければいいと思います。
この店は、本町商店街との大切なつながりです。時代にあわせて、これからも続けていけたらいいですよね。
編集後記
カジヤマシオリ/2021.2.10
東京で働いたあと、一宮に戻り「文光堂」の4代目となった内藤さん。
コミュニティスペースはゆったりと過ごせそうな雰囲気で、内藤さんが好きだと話していたのもわかる気がしました。コミュニティスペースの書道教室に集まる子どもたちが、階段のホワイトボードに落書きを残した風景にもほっこり。