Re-TAiL（リテイル）の古橋裕美（ふるはしひろみ）と申します。
私は両親が岐阜市内で縫製業を営んでいたこともあって、小さい頃から繊維素材に慣れ親しんで育ちました。
Re-TAiLに入社したのは、生地を買いにたまたまお客さんとして行ったのがきっかけです。
「楽しそうなお店だな」と思って行ってみると..
レトロな建物の雰囲気は素晴らしく、なによりたくさんの種類の繊維素材があってとても楽しくて。
それで、店内で商品を見ながらスタッフさんと雑談していたら段々と話が盛り上がってきて..
「お店で働きませんか？弊社のオーナーにぜひ会ってほしいです」
といきなり言われまして（笑）
後日オーナーと会って主人とも相談した結果、Re-TAiLに入社することを決めたんです。
なんだかご縁を感じますね。

Re-TAiLが発足したのは2016年ですが、発足前にこのビルでいろんな企業が集まり繊維素材のイベントをしたことがあったんですよ。
はじめて開催したのが2014年。たくさんのお客様に来ていただき大盛況だったんです。繊維メーカーも喜んだと聞いています。
大盛況だったこともあり以降、会社発足までに計4回イベントを開催しました。
すると前回以上にお客様がいらっしゃって、大行列ができたんですよ。
イベント終了後、企画した企業と一緒に「イベントも成功したし、いっそこのビルを丸ごと借りて出店しようか」となり..
2016年に企業共同体としてRe-TAiLが発足し、このビルに入居したんです。

じつはこのビル、1933年に尾西繊維協会ビルとして建てられたんですが、老朽化が進み取り壊しの話も出ていました。
なので、ここに入居した理由に「尾州繊維産業の象徴でもあるこのビルを守っていきたい」という想いもあるんですよ。

お客様が楽しそうに織物職人と話をしているところを見るのが大好きですね。
職人とお客様が直接交わることって一般的にあまりないじゃないですか。
けれど当店には素材の職人さんが納品などでご来店になることもありますので、直接お話することができるんですよ。
ふだん聞けないような話が聞けて、お客様も楽しいんでしょうね。
いつもはあまりしゃべらない職人も、お客様と話せてうれしそうです。

Re-TAiLは多くの人が関わって運営していますので、人とのつながりがとても大切なんです。
イベントを開催するときも、販売企画を考えるときもひとりだけの力ではできません。
なので私は調整役となり、Re-TAiLの運営がスムーズにいくよう配慮しています。

三八屋（さんぱちや）さんが好きですね。
こちらのお店、日本最小の地ビール工房があるんですよ。
料理も美味しいですし、オーナー夫妻とスタッフの方が優しくてとっても過ごしやすいんです。
私もお客様におすすめのお店を聞かれたとき、三八屋さんをご紹介することが多いですね。
それくらいお気に入りのお店です（笑）
ぜひ行ってみてください。

尾州繊維産業の象徴でもある、このビルを守っていきたいです。
まずは2033年に無事100周年を迎えること。
それが私の願いですね。

このビルでは繊維素材だけ販売しているわけではありません。
尾州生地を使った洋服や、バッグ作りが学べるスクール、それにオーダースーツ専門店など計11店舗入っています。
店内でお好きな生地を選んでいただき、セミオーダーで洋服を作ることもできるんですよ。
なので生地だけが目的でなくても、さまざまな楽しみ方ができます。
楽しいイベントも定期的に開催していますので、ぜひ遊びにきてくださいね。